方向性を見失うことで、気づいた「働く目的」

定年退職後、地元で小さな古本屋をはじめた両親。当時、両親がアルバイトを雇い始めた事がきっかけとなり、労務の専門家である社労士の資格を取ろうと考えたのは、「親孝行がしたい」という思いからでした。

古本屋を手伝いながら専門学校へ通い、約2年後に試験に合格。

社労士としての実務経験が全くなかった私は、社労士の実務経験が積めるのなら・・・と、「給与は要らないので、社労士の仕事をさせて下さい！」と、紹介してもらった社労士事務所の門を叩いたのを今でもはっきり覚えています。
週3日アルバイトをしながら、週3日社労士事務所で社労士としての仕事をし、空いた時間で勉強をする。

肉体的にも、金銭的にも決してゆとりはなかったですが、社労士としての実務経験を積むという目的の為、がむしゃらに働き続けました。

少しずつ任せてもらえる業務も増え、正式に正社員として採用してもらえる事となりました。
30歳を超えてからの社労士資格取得、そして異業種への転職という遅めのスタートだった為、とにかく人よりも多くの経験を積むことにこだわり、どんな仕事でも積極的にチャレンジしてみる事を常に意識していました。

しかし、3年ほどそんな生活が続いたころ、目の前の仕事をこなす事に必死になり、社労士としてどんな道を歩めばいいのか、方向性を完全に見失ってしまったのです。

社労士の資格を取った目的すら見失いかけていました・・。

3年間お世話になった事務所を退職し、飲食業へ転職。
そこで、目にしたのは、厳しい飲食業界の決して良いとは言えない労働環境でした。そんな環境にも関わらず、「たくさんの人が笑顔になれるお菓子を作りたい！」と目を輝かせながら働く若い職人達。
私も、あらためて「社員がイキイキと輝き続ける職場づくりをしたい！」と思い、社労士の世界へ復帰する事に。
以前からご縁のあったエレメンツ社労士事務所へ入所することになりました。

心が震えた「幸せの意味」

障がい者雇用で知られる日本理化学工業㈱大山会長の言葉に、
「人間の究極の幸せとは、
人に愛されること、人に褒められること、人の役に立つこと、
そして、人から必要とされること。
働くことによって愛以外の3つの幸せが得られます」
という、言葉があります。

私は、この言葉に心震えました。

「働く」ことから得られるものは、お金だけではないという事。
私自身、「働く」を通じて、目的や思いを共有できる仲間との出会い、人間的成長、お客様のお役に立てる喜び、など多くの幸せを感じてきました。
ヒトの専門家として、職場づくりのサポートをさせて頂く。
そうすることで、働く人が幸せを感じられる社会へと変えていくことが、社労士としての使命の1つだと感じています。